昨年暮れにようやく正式版1.0がリリースされたjQuery Mobile。先ほど、今後のロードマップとして次にバージョン1.0.1が、そして次にリビジョンが上がりバージョン1.1がリリースされることがアナウンスされました。
Upcoming Releases: 1.0.1, 1.1, and beyond
差し当って、要点をまとめ。
バージョン 1.0.1
これは「メンテナンス・リリース」と位置づけられています。内容的にはバグフィックスと、1.1へ繋がるマイナーな機能強化ということ。”Coming soon”となっているので、数日中には公開されるでしょう。
バージョン 1.1
こちらは、かなりまた大きな変化が加えられているようです。詳しくはリリース時点でリリースノートを再確認したいですが、大きな柱として挙げられているのは、次の2つです。
- ページ切り替え効果を、よりスムーズに向上
- 固定ツールバーの挙動向上
どちらも次のバージョンで「劇的に」強化されているとのこと。開発側が多少盛っているとしても、どちらも直観的にユーザビリティと繋がる部分なので期待は高いです。
ページ切り替えについては、Android端末のようなアニメーションに弱いプラットフォームなどではどうしても限界があること、スクロール位置の調整や保持に時間がかかりすぎることなどから、チューニングだけではなく根本的に切り替え方法を変えることにしたようです。スクロール位置を調整せずに一度切り替えを行い、次のページをフェードさせることで不自然さを解消したとか。興味のある人は、こちらからとりあえずのデモを見ることができます。
その他、現時点で(おそらく)1.1に含まれるとされているのは、元々は正式版リリース時に実装されるとされていたダウンロード・ビルダー。jQueryコアでは既にあるお馴染みのものですが、jQuery MobileでもAMD(JSファイルの依存関係を定義するCommonJSによる標準化仕様:参照)対応を済ませたところで、遂にリリースとなる模様です。
意外だったのは、固定ツールバー機能強化に向けた最有望株だったはずの touchOverflow が deprecated にされたことです。iOS意外でのサポートが進まないこと、未サポートの環境と2つの手法を平行して実装することで複雑さが増すことなどから、一旦手法として放棄することにしたようで。もうすぐ発売の でも「おそらくは次バージョンではデフォルトでONになってる」なんて書いてしまったように思いますが… 見事にハズレました。すみません。
このバージョン1.1は、2月中~下旬にリリース予定。それから、およそ3ヶ月おきくらいのペースでバージョンアップさせていく予定とのことです。
バージョン 1.2
というわけで、予定通りなら5~6月(もしかしたら、もっと早く)にリリースになるだろうバージョン1.2についても、チョロっと。
読んでの通りバージョン1.0.1、1.1は共に機能向上がメインで、いわゆる「新機能」は加えられていません(ダウンロード・ビルダーはライブラリとしての機能ではないですし)。バージョン1.2では、新しいウィジェットを加えていきたいということです。
新ウィジェットは、たとえば既に(バグありの)デモが公開されている popup など。これは、ツールチップだけでなくポップアップメニューやログインフォーム、サムネイル表示など、なんでもポップアップにできるなかなか便利そうなウィジェットです。
他には fetch links という新機能が紹介されています。これはどうやら、リンク先のコンテンツの一部の要素を自動的にAjaxで取得し、その内容を手元のページの指定要素内にロードするようなものの様子。たとえばタブにこのfetch linkを指定してターゲットをメイン部分にすれば、コードを書かなくてもタブによりコンテンツ部分だけが切り替わるようになります。また、一覧にスニペットが表示されていて「続きを読む」というようなリンクをつけているような場合でも、この「続き」にfetch linkを指定しておけばページ遷移せずその場で続きの文書が出てくるようなことも。
いずれにしろ、これはまだ「次の次の次」。お楽しみにということで。
Related posts:
- [jQuery Mobile] Markup Cheat Sheet
- [jQuery Mobile] 1.0.1公開
- [jQuery Mobile] チートシートつくりました
- [jQuery Mobile] 日本語リファレンス1.0に更新
- [jQuery Mobile] Paginationプラグイン